富山県は種籾の一大生産地でもあります。
約50品種もの種籾が、全国44都府県へと出荷されています。富山の種籾の起源については諸説あり、瑞泉寺を建立した綽如の勧めで生産が始まったとも伝えられています。江戸時代後期には、種籾の斡旋を富山の売薬商人が請け負うようになり、越中の種籾の評判は全国に広められました。
富山の種籾は、90%以上の高い発芽率、遺伝的純度の高さ、病虫害の少なさ、実りの良さなどで高い品質を誇り、全国の顧客農家から大きな信頼を得ています。
その高い品質を維持するために県の農業研究所では富山の気候に適した品種選定や栽培技術の研究・普及にあたり、農林振興センターでは県知事任命の種子審査員が種子圃場で審査を行っています。また収穫後、農協では生産物審査、発芽試験、DNA鑑定などが実施されています。こうして厳しい検査を通過した種籾だけが富山の種籾として認められるのです。