最初にご紹介するのは、世界中でも特に日本文化に感心があり、それらを受け入れる土壌があるフランス・パリ。最先端のファッションカルチャーやトレンドカルチャーが集まるマレ地区でお弁当屋さんを営む『Bento&Go!』に取材協力をいただきました。レピュブリック広場が近くにあり、アートギャラリー、絵のフレームを扱う専門店や好奇心をくすぐるショップが集まる、新しい文化を積極的に取り入れようとする文化度の高いエリアです。
- どのようなときにお弁当を食べますか?
- 主に仕事のときが多いです。ランチタイムはとにかく時間がないので、パッと手軽に食べられるのが良いですね。フランス人はランチに2時間かける? それは昔の話ですよ(笑)。今はいかに時短できるか。このお店も電話注文しておくことができたり、オフィスにデリバリーもしてくれるので、よく利用しています。
- 日本の弁当についてどう思いますか?
- 前に中国・上海に駐在していたんですが、そのときもよく中華デリを利用していました。でも中華料理は僕には脂っこいので、毎日は厳しくて……。日本の弁当はおかずによって "こってり" も "さっぱり" も好みで選べるし、バラエティ豊富で選ぶ楽しさがあります。今日選んだのは、「鶏の照り焼きとポロネギ」。甘辛な味は「aigre-douce」という単語があるくらい、フランス人も好きな味つけです。
- 弁当にまつわるエピソードはありますか?
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うーん……いつも会議中とか仕事中だからなあ(笑)。
でも日本の弁当文化は、本当にすごいと思います。あんなに小さい箱にバランス良く、しかも見た目も良く、食材を詰めていく。とても自分ではつくれないですよ。しかもここのお弁当は卵がハート型。そんなところにまで気を遣うのは、日本人シェフだからこそでしょうね。
- どのようなときにお弁当を食べますか?
- 日常的によく食べますね。フランス人の昼食の定番といえば、サンドイッチやサラダですが、栄養バランスを考えるとあまり良くないものが多くて。わたしは職業柄自分自身の体型にも気をつけているので、あまり時間のない昼食でもきちんと体に良いものを取り入れたいと思っています。
- 日本の弁当についてどう思いますか?
- 魚、肉、野菜、すべて取れる万能な食事だと思います。初めて見たときは「なんて新しいの!?」と感激しました。今までこういうランチは、フランスにはありませんでしたから。好きなおかずは「鮭の塩焼きと季節の野菜」。フランスのレストランでもサーモンは食べられますが結構高いので、どのお弁当も13ユーロで食べられるのはとてもお得だと思います。
- 弁当にまつわるエピソードはありますか?
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わたしはごはんの上にかかっている「ゆかり」が大好きなんですが、最初お店の人に本物のしその葉を見せてもらったときは驚きました。「どうして赤いの?」「何味なの?」って(笑)。職場で食べていたら、同僚も気になったみたいで次々と味見に。みんな初めての味なのに、気に入っていました。
日本食はカロリーコントロールに最適で、ベジタリアンでも食べられる。素晴らしい文化だと思います。
あ、このお店のほかに、お弁当屋さん知っています?
すっかりハマってしまって、パリのお弁当屋さんを開拓中なんです!
日本とパリで修行を積んだシェフ立花剛氏の店。「日本の味を変えることなく、フランス人にも楽しんでもらいたい」と、あえてメニューや味つけを変えない弁当を提供。日本人はもちろん、フランス人からも愛されている。
Mon - Sat, 12:00 - 15:00 / 18:00 - 22:00