2.もっと、日本の食文化を大切にするために

細川護熙作 壁画「棚田の四季」

日本の食文化、各地域の食文化の担い手・守り手であり続けること

日本の食文化を守る

日本独自の食文化を守りたい、という私たちの想いの原点は、1886年創業の西洋料理店『彌生軒』に遡ります。創業者の祖父が明治時代に開いたこの西洋料理店は、日本の食文化の発展に貢献しました。海外からカツレツやハンバーグなどの洋食が日本にもち込まれると、ごはんに合うように改良され、トンカツが誕生したり、ハンバーグが日常食になったり、新たな食文化が生まれました。この日本の食文化を「ほっともっと」や「やよい軒」で提供しているメニューを通じて、海外に広げていきたいと考えています。

彌生軒看板

米食文化を未来へつなげたい米文化継承活動

近年、食の西洋化や炭水化物の忌避などの理由により米の消費量が減っています。50年前と比較すると消費量は半減しており、生産量も毎年減少しています。私たちは、このように米食文化が薄れつつあることを懸念し、「米文化継承活動」という取り組みを行っています。米文化を継承していくことを、ビジネスを通じて伝えるだけでなく、文化事業としても取り組み、情報の発信源を作りたいと考えています。具体的な活動としては、細川護熙氏作「棚田の四季」と題した壁画を文化事業のシンボルに掲げ、米文化の素晴らしさを国内外に伝える番組「The Story of Rice」の放映。東京本社屋上の田んぼで米を育てる「茅場町あおぞら田んぼプロジェクト」、地域の子どもたちとの交流から始まった「お米大好き絵画プロジェクト」、小学生の精米工場見学やお米のおいしさや栄養面などの魅力を伝える食育活動にも取り組む米育活動も行っています。また、日本の食文化を総合的に研究する「Plenus米食文化研究所」を設立し、研究成果を発信しています。私たちは、これらの活動を通して、日本の米食文化を未来へつなげる活動を積極的に行っています。

米文化継承番組 The Story of Rice

茅場町あおぞら田んぼプロジェクト

地域の食文化を大切に

また、地域ならではの味も大切にしています。多くの郷土料理がある日本では、地域によって慣れ親しまれている調味料も異なりますから、それに伴って味付けを変えています。「ほっともっと」や「やよい軒」では、地域ならではのメニューもラインナップに加えています。これも日本の食文化を大切にしたいという想いの表れです。私たちは全国に店舗展開していますが、それぞれの地域のキッチンという役割をもっていると考えます。これからも日本独自の食材(醤油などの調味料)へのこだわりをもち、地域の食文化も大事にし、米食文化の継承につなげていきます。