店舗から出る廃食用油を持続可能な航空燃料の原料として供給し、CO2排出量削減に貢献しています。
持続可能な航空燃料
持続可能な航空燃料、Sustainable Aviation Fuel(以下、SAF)は、石油などの化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料です。廃食用油や木くずなど、植物由来のものが原料となっており、様々な製造技術が存在します。
原料が100%廃食用油の場合、従来の航空燃料と比べて原料収集から SAFの製造、燃焼までのライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出量を約 80%削減できるといわれています。
4社共同のサプライチェーンとプレナスの役割
プレナスと、日揮ホールディングス株式会社(以下日揮 HD)、株式会社レボインターナショナル(以下レボインターナショナル)、合同会社 SAFFAIRE SKY ENERGY(以下 SAFFAIRE SKY ENERGY)の 4 社は国内 SAF の供給に取り組んでいます。
プレナスの役割は、「ほっともっと」 「やよい軒」 「MKレストラン」の店舗から出る廃食用油をSAFの原料として供給することです。プレナスはこれまでも、廃食用油を肥料や飼料の原料として供給してきましたが、従来と同じように回収されるので、店舗の負担なく続けることができます。
廃食用油はレボインターナショナルによって収集された後、SAFFAIRE SKY ENERGYに引き渡され、SAFが製造されます。また、日揮HDはSAF製造事業に関するサプライチェーンの全体構築を主導しています。
なお、日本初となる国産 SAF の大規模製造プラントは2025年度初頭の製造開始を目指し、大阪府堺市に建設されました。製造する SAF は1年間で約 3 万キロリットルを予定しています。
CO2排出量を削減、地球にやさしい取り組み



このような自然の循環を利用して航空燃料を製造・利用することで、大気中のCO2をほとんど増やすことなく、航空機を動かすことができます。
Fry to Fly Project への参加
また、プレナスは、家庭や店舗などで発生する廃食用油で作ったSAFで、航空機が飛ぶ世界を実現する「Fry to Fly Project」にも参加しています。
「Fry to Fly Project」は、みんなで楽しみながら脱炭素に貢献できる可能性を提供するためのプロジェクトです。現在、家庭の廃食用油の多くは廃棄されており、回収された廃食用油についても年間10万トン以上が国外に輸出されているといわれています。2030年に必要なSAFの量は日本だけでも約170万トンとされていますが、このままでは圧倒的な生産量不足の状態が続く見込みです。(日揮HD HPより)
国土交通省によると、航空機の利用にともなうCO2排出量は自家用乗用車に比べれば少ないものの、鉄道などほかの公共交通と比較すれば多いと算定されています。こうした航空機のCO2排出量を削減するため、2022年10月に開催された航空業界の国際機関である国際民間航空機関(ICAO)の総会では、「2024年以降は、CO2排出量を2019年の85%以下に抑える」という、目標が採択されました。
この目標を達成するためには、SAFの原料を安定的に確保することが重要です。そのためには、店舗だけでなく、家庭からの廃食用油の提供も大きな支えとなります。
一緒に、持続可能な社会を目指す
当社のビジョンの一つに「もっと環境に貢献する企業になろう」という目標があります。その実現のためには、店舗から出る廃食用油やゴミの処理に関わってくださる多くの方々の存在を忘れてはなりません。回収を担ってくださる業者の皆さまは、物流業界が直面している人手不足や燃料価格の高騰といった課題に取り組みながら、持続可能な社会を目指すという共通のゴールに向かって協力してくださっています。ある業者の方からは、「御社の廃食用油をリサイクルすることが、従業員のモチベーション向上に繋がっています」というお話も伺いました。
これからも、関わってくださる皆さまと共に環境問題に向き合い続け、近い将来にはリサイクルや廃棄物管理の分野で業界をリードする企業となることを目指してまいります。