食について学ぶきっかけ。小学生の商品開発に「ほっともっと」が全面協力

2023.03.27

企業の商品開発や販売の裏側を垣間見て、多くの学びを得た4年生

2022年5月、神奈川県横浜市立市場小学校の4年5組の児童から、『自分たちのアイディアを基にお弁当の商品開発を行い、商品を販売したい! 「ほっともっと」にアドバイスや販売などで協力してもらえないか?』との依頼が入りました。児童39名と担任の山本教諭、そして当社社員の10カ月にわたる取り組みをお伝えします。

「笑顔モットモット プロジェクト」が始動!

この取り組みは、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標として、各学級ごとにテーマを決めて1年間を通して学ぶ「総合的な学習の時間」において、お弁当の商品開発、そして販売を目指すという市場小学校の4年5組からの打診が始まりでした。「笑顔モットモットプロジェクト」と名付けられた授業で、一緒に取り組みたいお店として、児童から「ほっともっと」の名前が挙がり、当社にお声掛けいただきました。

6月に授業に参加した商品開発部・加藤より、「ほっともっと」のお弁当やお米へのこだわり、そして商品開発のポイントや苦労話などを説明。試作商品の試食会数や、商品の構想から発売するまでの商品開発期間の長さなどに驚き、様々な質問が飛び出しました。

続いてチームごとに検討したお弁当のおかずについて、各チームの児童からプレゼンを受けました。「おいしい・ヘルシー」がテーマにしたお弁当のメインのおかずについては、各チームからハンバーグ、チキンカツ、大豆ミートハンバーグなどのアイデアが出ました。そして各チームの方向性などを基に、ヘルシーさや商品開発の自由度の高さから、加藤より豆腐ハンバーグを提案しました。

試食して自分たちでソースを決めたい!

当社が参加した授業の翌日から、豆腐ハンバーグの味付けや副菜、他のおかずなどの検討に着手。鮭とじゃがいもを焼いて味付けした料理の「しゃけポテト」は、クラス満場一致で決定。

しかし、副菜選びは困難の連続となりました。クラスみんなで考えた「にんじんシリシリ」などの料理は、お弁当の安全性の観点からことごとくNGに。その場で食べるレストランの料理とは違い、持ち帰り時間などを想定して消費期限が設定されているお弁当は、細菌やウイルスが繁殖して食中毒にならないよう、厳しい安全性の基準が設けられています。11月の授業にて商品開発のプロである加藤より、食材の水分量や菌が繁殖しやすい食材・味付けなど、様々なことが「食の安全」に影響していることを教えてもらった児童たちは、悔しいながらも納得。安全性を考慮しておかずを選び直し、“ひじき煮”などに決まりました。

そして商品を確定する時期になっても、肝心な豆腐ハンバーグのソースが決まらない。みんなで出した候補の“デミグラスソース/和風ぽん酢ソース/てりやきソース”から2つに絞り込もうにも、味がイメージできずに暗礁に乗り上げました。4年5組児童から試食のお願いのビデオレターを受け取った加藤は、急ぎ商材を揃えて準備。11月に豆腐ハンバーグと3種のソースの試食と、これまでの振り返りの授業に漕ぎつけました。試食をした後はそれぞれの味の良さについて皆で意見を出し合い、デミグラスソースとテリヤキソースに決定。

この1年の集大成! 全員が役割を担い1,400食のお弁当を完売!

お弁当販売を前にした1月下旬、「ほっともっと」の店舗をマネジメントする社員3名が教室を訪れました。児童たちが販売するお弁当を調理する「ほっともっと」。その店舗の設備や仕事、そして登壇した社員の1日の業務・役割などを説明。児童からは様々な質問が寄せられました。また、2月の弁当販売に向け、お客様をお迎えする際の心持ちや接客挨拶の練習をしました。

そして迎えた2月のお弁当販売。集合時間よりもかなり前に集まる児童が多く、喜びと緊張が入り混じった姿が印象的でした。まずはこれまでに制作したのぼり、POP、お弁当のこだわりを説明した大型パネルなどを設置し、準備を進めます。そして販売前には「ほっともっと」のシニアストアマネージャーと一緒に、1月の授業の接客挨拶の復習。そして「ほっともっと」の店舗で使っている、毛髪混入防止の目の細かいヘアネットに髪の毛をきれいに収め、キャップを着用。食品を提供する安全へのこだわりを体感しました。

そうこうしているうちにお客様がご来店。ご案内係の児童がブースに誘導し、緊張した面持ちで接客やお弁当の受け渡しをする販売がスタートしました。小学校の正門でパンフレットを配布する係、お客様に列の最後尾をご案内する係、列に並んでお待ちの方にお弁当のこだわりをPRする係、弁当を受け取った方に1年間の授業の取り組みを発表する係。皆がそれぞれの役割をしっかりと果たしました。予備のお弁当も、児童が道路を歩いている地域の方にお声がけして売り込み。自分たちが考えたお弁当をすべて売り切り、フードロスゼロを達成しました。その姿は緊張気味だった朝とは違い、達成感と自信に満ちあふれていました。
今回のプロジェクトを通じて、様々な経験を重ねた児童の姿に、地域の方や保護者から多くの反響をいただきました。当社はこれからも食の事業を通じて、地域に根差すブランド・店舗を目指し、地域社会や教育と連携して社会価値の創造に取り組んでまいります。

 

 


お弁当の商品開発から販売までの経験が、自信と誇りに
「お世話になっている地域の方々に笑顔になってもらいたい。」という、児童の思いを総合的な学習の時間を通して実現するために、プレナス様に相談したことが学習の始まりです。お弁当を開発するにあたり、チームに分かれて行ったおかずの提案会では、児童の思いを受け止め、専門的なお話をいただきました。児童たちは、「次こそは!」と、よりよいものにしようとさらに努力や工夫しようとする姿を見せてくれました。

販売に向けては、接客の術を教わり、販売当日のイメージをつかんでいました。主体的、協働的に開発から販売までのプロセスを経験できるようにプレナスの皆様が働きかけてくださったことで、何度も現れる課題に対して動じずに、一つ一つ解決する力をつけることができました。プレナス様と共に作り上げた「栄養満点ハッピースマイル弁当」を地域の皆様に販売し、召し上がっていただけた経験は、自信や誇りとなり、社会を切り拓く力になったことでしょう。
 

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