株式会社エムエスエフ 広川工場がFSSC22000認証を取得

2022.12.05

プレナスが提供する食の味の決め手となる調味料。
その調味料の製造を担う、株式会社エムエスエフの広川工場(福岡県広川町)が、
食品安全マネジメントシステムの国際規格 FSSC22000認証を取得しました。
全社一丸となって取り組んだ、認証取得までのプロセスを紹介します。

社員プロフィール

  • 中村 浩一 株式会社エムエスエフ 生産部 広川工場 工場長

    広川工場のトップマネジメントとして、適切な作業環境の確立や維持管理、広川工場の全従業員へのFSSCに関する教育及びその浸透の反復確認など、工場全般を統括している。

  • 中村 雄一 株式会社エムエスエフ 品質保証部 課長

    自社工場の他、製造を委託している食品生産工場の監査等を担当。認証取得に向け、原料規格書の更新や不足情報の収集、管理基準の妥当性協議などに尽力した。

  • 田中 孝 株式会社エムエスエフ 広川工場 主任

    主に原料の資材発注を担当している。食品安全チームの一員として、食品防御の脅威評価表や食品偽装チェックリスト、アレルゲン管理プログラムの作成を担い、チームを支えてきた。

全ては「安全で安心な食品」を提供するため

田中
「FSSC22000認証」はFood Safety System Certification 22000の頭文字をとったもので、“安全で安心な食品”を提供するための国際規格です。
ISO22000、ISO/TS 22002-1
、追加要求事項の3つの構成で成り立っており、これらをすべて含んでいるのがFSSC22000です。食品安全マネジメントシステムに関する国際規格の中では最高レベルの認証であり、世界共通の規格のため、国際取引の場でも非常に信頼度が高く、「FSSC22000認証を取得していない会社とは取引しない」という会社もある程です。

認証取得を見据えた工場立ち上げ

中村(浩)
広川工場は2017年の工場建設の計画段階より、FSSC22000認証取得を目標に掲げていました。例えば認証を取得するうえで、工場内の壁と床の接合面が、一般的な直線構造だとごみが溜まってしまうため、汚れの蓄積を防ぐ目的でR構造(床と壁の境目が丸みを帯びている状態)でないといけないルールがありますが、工場立ち上げ時に先駆けて導入していたこと。備品なども材質証明書があるものを揃えるなど、将来を見据えた準備を進めていました。設備面だけでなくソフト面では、従業員の教育やチェック体制もFSSC22000に準じた内容を構築してきました。

認証取得に向けて本格的に動き始めたのは2年前です。広川工場の社員4名で構成された食品安全チームを中心に、管理本部、品質保証部、研究開発部、営業部などの社内全体を巻き込んだプロジェクトを立ち上げました。

認証取得のハードルの高さを痛感

中村(浩)
広川工場には約100名の従業員が勤務しています。社員、派遣社員、パートさんとそれぞれの立場も経験も様々です。例えば、日々の業務の中で行っているチェック表の記入一つをとっても、その目的と重要性を全従業員が理解できている状態でなければなりません。食品安全チームだけが、社員だけが、理解していても意味がないわけです。そのためには、従業員教育の中で、繰り返し伝えていくこと。経験が浅い方でも理解できるよう、易しい言葉で伝えることを心掛けました。

実際に審査を受けた時のことです。外部から仕入れている出汁について、「出汁を取る鰹節の安全性はどのように確かめていますか?」と問われました。「品質保証書を確認しているので、安全性は担保されています」と答えたところ、「そうではなくて、仕入先がどのようなことをやって担保を取っているのかというところまで調べてください」と指摘されました。実際に仕入先の水産会社に連絡をして安全性を担保するために、どのような対策を行っているのか、その対策は品質保証書に記載がある内容で間違いがないのか調べました。
仕入れた原材料についても、その製造工程を確認し、安全性に問題ないかを見定める。ここまでのレベルを求められることに、認証取得のハードルの高さを感じました。

認証を取得したこれからが本当のスタート 安全で安心な食を提供するために

中村(雄)
エムエスエフはプレナスグループ向けだけでなく、レストランやスーパー等で使用・販売される調味料や加工食品、お菓子など様々な商品の開発・製造を行うOEM事業を展開しており、自社工場のほか、委託先工場とのパートナーシップを築いています。委託先工場の方々と、FSSC22000認証取得の過程で直面した課題への取り組みや苦労話を実体験としてお話でき、ナレッジを共有できることは、お互いの成長につながる意義深いことだと感じています。
今後は広川工場だけでなく、甘木工場・杉戸工場へも水平展開を行い、自社工場のレベル向上へ繋げていきたいと考えております。

田中
FSSC22000認証を取得できたからOKということではなく、今からその真価を問われていくのだと思っています。
社内においては、食品安全ハザードを明確にできたことで、食品の安全な提供に関するリスク(工程トラブルや製品回収リスク)が低減でき、従業員モラル、衛生、品質、安全に対する意識向上にも繋がっていると感じます。

中村(浩)
エムエスエフのブレンド技術、味作りといった高い商品開発力に加え、工場における“ものづくり”に対する価値がFSSC22000認証取得で高められたと感じています。今後も安全・安心を追究した食材を提供することで、さらなるプレナスグループの価値向上と、取引先・消費者からの信頼獲得を目指して参ります。

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