「ほっともっと」新おかず容器プロジェクトストーリー
2022.04.19- #お客様の笑顔
- #環境
13.7cm×19.2cmの容器に詰まった秘密を、担当者が熱く語ります。
社員プロフィール
-
山崎 寛之 マーケティング本部 商品開発部
1996年入社
「ほっともっと」の店舗運営を担当した後、メニュー開発部門に。物流部門を経験し、再びメニュー開発に携わっている。
趣味はテニス。 -
荒井 祥文 商品本部 調達部
2007年入社
精米センターに従事し、当社が強いこだわりを持つ米の仕入れを担当する。現在は、店舗で使用する様々な食材・包材等の調達に携わっている。
特技は剣道。
きっかけは、環境への取り組みとライフスタイルの変化への対応。
荒井
弁当容器の改良は、これまでも取り組んできましたが、調達を担当する部署として、近年の環境へ配慮したCO2・プラスチック使用量の削減に取り組もうというのが、今回の容器改良のきっかけです。可能な限り容器の軽量化、薄肉化を目指しました。
また、コロナ禍の巣ごもり需要も相まって、Uber Eatsや出前館などのシェアデリの利用も増えています。より安全にお客様に商品をお届けするための工夫も必要でした。
新しい容器には、お客様に「おいしい」、環境に「やさしい」のこだわりが詰まっています。
荒井
素材や形状を変更することで、プラスチックの使用量を約20%削減しました。また、容器にフィルムを貼って色をつけることをせず透明にしたのは、単一素材にすることで、リサイクルしやすい、という環境への配慮です。
社内では容器が透明になることについて、抵抗を感じるという意見も少なからずあったのですが、「3回見れば慣れるから」と説得しました。
山崎
最初は透明だと見栄えが悪くなるのではと思いましたが、本当に3回見ると慣れました。環境に貢献できることと、おいしく商品を提供することが両立できるのは、非常にいいことだと思っています。
荒井
「おいしい」のためのこだわりは、お客様が弁当を持ち帰る際に汁漏れしないように、内勘合にした点です。内勘合とは容器本体(身)の内側に蓋がはまるものをいいます。
持ち帰り時やシェアデリの配達時にはどうしても「揺れ」が生じますが、汁漏れを防ぎ安全でおいしい状態の商品を届けられるようにしました。
山崎
内勘合にすると汁漏れしにくくなる一方で、蓋が開けづらくなります。実際、検証の途中で「開けにくい」というご意見をいただきました。そのため身にも蓋にもタブという出っ張りをつけて、開けやすくなるようにしました。また、蓋の側面を軽く押すと、ワンタッチで簡単に開けられる工夫も施しました。
荒井
また、店内で調理したおかずを盛りつけた容器をお客様が手に取った際に熱くないように、底に高さの違う細かなリブ(溝)を入れました。これにより、食材の熱が直接手に伝わりにくくなります。またこのリブは容器の側面にも入っており、弁当を重ねてもつぶれないように強度を保っています。
荒井
失敗もありました。開発した容器がお客様に受け入れられるのか、また店舗の作業において問題ないかを検証するために、エリア限定で導入を行った時に、検証開始の前日に一部の容器が割れるという問題が発生し、一からのやり直しとなったことがありました。原因は容器の身と蓋の素材の違いでした。
山崎
店舗での作業上の問題については、クルーからも指摘をいただきました。副菜のポテトサラダや漬物を先に盛りつけると、容器が傾いてしまって作業しづらい。漬物を入れる部分の底を極限まで薄くしているため、盛り付け用のトングがあたって裂けてしまったり、また触れた際の音が耳障りだという意見もあり、改善が必要となりました。
荒井
不具合を解消し、より使いやすい容器にするため、素材を変更したり、形状の微調整をしたり、リブを入れたりと試行錯誤を繰り返しました。構想から最終版の容器完成に行きつくまでの期間は約2年。合計すると約20パターンの試作品を作りました。
ここまでの時間をかけての容器改良は初めての事でした。
これからもお客様においしさを届けるために。
荒井
容器は弁当を食べれば役目を終えるものですから、環境への配慮はマストです。できるだけコストをかけずに、中身のおいしさを保つ機能と環境への配慮。これらを可能な限り実現できるように、また時代の変化に柔軟に対応できるように、今後も容器改良に取り組んでいきたいと思います。
山崎
持ち帰り弁当なので、お客様の利用シーンも様々です。ご自宅、車中、屋外など、どこで召し上がるにも、安全性に欠けたり、食べにくかったりという容器ではいけません。
「ほっともっと」の弁当のおいしさを、しっかりとお客様にお届けできる容器ができたと思っています!
私たちはこれからも、お客様に「おいしい」と、環境に「やさしい」を両立できるよう取り組んでいきたいと思います。