CHALLENGE米づくりへの挑戦

2022.05.09

米づくり素人が挑むスマート農業 新たな栽培に挑戦

庄内三川ファームでは、田んぼに水を入れずに直接種をまく「乾田直播栽培」と、田んぼに水を入れてドローンで直接種をまく「湛水直播栽培」に取り組みます。初チャレンジとなる「乾田直播栽培」を取り入れ、どこまで生産性の向上が図れるか検証していきます。

本格的に稲作スタート

庄内地方は日本有数の米どころです。広大な平野に整然と区画された田んぼが広がっており、大型の機械で効率よく生産することが可能です。庄内平野は周囲を鳥海山や出羽三山などに囲まれており、それらの雪解け水は夏まで田んぼを潤します。夏は日照時間が長く、昼夜の気温差が大きいことも稲にとっては好材料です。このように米づくりに適した環境が整っています。本格的に始まった稲作ですが、庄内平野は日本海沿いに位置しており年中風が強いため、播種(種まき)や除草剤散布を行う際に、むらができたり近隣の圃場に迷惑をかけないように、風がない早朝6時頃から作業を行っています。今年は三川町に約2ヘクタール、庄内町に約1ヘクタールの3ヘクタールで栽培します。

2つの栽培方法と3種の籾

乾田直播栽培

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1/3の圃場では、今年から初挑戦となる、乾いた田んぼをローラーで踏み固め、その上に種をまいていく「乾田直播栽培(かんでんちょくはさいばい)」を行います。水を入れる前に田んぼを耕して種をまき、苗がある程度まで成長して根付いたら田んぼに水を入れて水田の状態にして育てます。畑の状態で田を耕すので作業が楽になり、大規模面積を栽培するのに適しています。

湛水直播栽培

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2/3の圃場では、昨年から埼玉県の加須ファームで取り組んでいる、田んぼに水を溜めてドローンで種まきをする「湛水直播栽培(たんすいちょくはさいばい)」を行います。また、湛水直播では、種を発芽させた「催芽籾(さいがもみ)」、鉄粉で籾をコーティングした後に錆びさせ、表面を固くし鳥害などを防ぐことができる「鉄粉コーティング籾」、コーティング後に鉄が発熱して種が焼けてしまうことを防ぎ、発芽が早いと言われている「鉄黒コーティング籾」の3種をまき、どのように生育に差が出るのかを比較します。

直播栽培にかける想い

庄内三川ファームでは直播栽培に振り切って生産を行い、どこまで生産効率を上げられるかにチャレンジします。直播栽培にこだわる理由は「労働負荷・コストの削減」の実現です。ただ、「省力はするが省略はしない」という思いで、種をまいてから収穫するまで丁寧に育て、品質の高い米の収穫を目指します。