お弁当という、小さな「宇宙」
古くから、“持ち運ぶ食事”としてこの国を支えてきたお弁当。
「外でも、栄養のあるものを食べさせたい」 「時間が経っても、おいしい状態で食べてほしい」 そんな想いから生まれた“生活の知恵”は、 やがて携行食の域を超え、ひとつの食文化として発展してきました。海外にもお弁当はありますが、 容器へのこだわりや、彩りや季節感に配慮した盛り付けの美しさは日本ならでは。
小さな箱に、趣向を凝らしたおかずがぎっしりと詰められた姿は、時に芸術的で、同時に機能的でもあり日本の繊細な美意識が凝縮されているように思います。プレナスの「お弁当ギャラリー」は、そんなお弁当の魅力を再発見できる、コンパクトかつオープンな拠点です。
お弁当箱収集家である瀬戸曻氏から譲り受けた貴重なコレクションを中心に、さまざまなテーマでお弁当箱から広がる豊かな世界をご紹介していきます。EXHIBITION
展示内容
「お弁当」から「OBENTO」へ
そもそも「弁当」という言葉は、いつ頃誕生したのでしょうか?
文献を紐解いてみると、江戸時代初期刊行の「日葡辞書」には既に「Bento」(ベンタウ 便当・弁当)の項目が登場しており、「充足、豊富」という意味と、
「文具箱に似た箱で、食物を入れて携行するもの」という説明が記されています。まだ外食施設がない時代から、この国の過酷な漁業や農作業、長距離の旅などを支え続けたお弁当。現代では、学校や職場で食べる日常のお弁当をはじめ、旅を盛り上げる駅弁や空弁、季節を楽しむお花見弁当や 紅葉狩り弁当に至るまで、広く親しまれるようになりました。
お弁当は単なる携行食の域を超え、 日々の思い出を彩り、家族や仲間との絆を深めるコミュニケーションツールとしての役割も担っているのです。
特に日本のお弁当は、世界の中でも美しいといわれ、 心が詰まった「宝石箱」や「小宇宙」と表現されることも。海外でも、”BENTO” という言葉が通じるほどに広がっています。- 展示時間
- 9:00~17:30
- 休日
- 土日、祝日
- 入場料
- 無料
- 住所
- 東京都中央区日本橋茅場町1-7-1googleマップ 日本橋弥生ビルディング1F
- アクセス
- 地下鉄東西線・日比谷線 茅場町駅12番出口より徒歩1分